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やけど(熱傷)とは、高温の気体、液体、固体に接触して生ずる皮膚や粘膜の障害のことをいいます。熱傷の深さ(深達度)は、「温度×時間」で決まります。したがって高温に接すると短時間で熱傷を起こしますが、比較的温度が低いものでも長時間接触すれば、やはり熱傷を起こす危険があります(低温熱傷)。
やけどは症状によってⅠ度からⅢ度に分類されます。
Ⅰ度は表皮の熱傷で、後半戦と軽度の浮腫のみで数日で治ります。
Ⅱ度は、真皮浅層までの熱傷と真皮深層までの熱傷に分かれます。真皮浅層のⅡ度熱傷では紅斑や浮腫が著明で、24時間以内に水疱やびらんなどができ、分泌液が多く痛みも伴いますが2-3週間でかさぶたができて治ります。一方真皮深層までのⅡ度熱傷では、治療期間が長期にわたり、瘢痕や色素の異常を残します。
Ⅲ度は、皮下組織の脂肪組織や筋膜にまで及び知覚が消失する深いやけどです。Ⅱ度の深層熱傷よりさらに長期の治療期間を要します。しばしば高度の瘢痕および機能障害を残します。植皮などの外科治療が必要になってきます。
家庭でのやけどの原因は、ストーブやファンヒーターなどの暖房器具、加湿器や炊飯器などの蒸気、鍋ややかんなどの調理器具、お湯・コーヒーなど高温の液体やインスタントラーメン・カレー・シチューなどの調理食品等、多岐にわたります。女性に多いやけどには、ヘアアイロンによるやけどがあります。ヘアアイロンが頬や首に当たったなど、短時間の接触でもやけどが起こります。低温熱傷は比較的高齢者によく見られます。カイロや湯たんぽを使用する割合が多いこと、加齢にともなって熱さや痛みを感知しにくくなることなどが要因としてあげられますが、若い人や子供でも低温熱傷は起こります。低温熱傷は、深いことが多く、大抵はⅡ度の深層熱傷になります。電気アンカ、電気カーペット、電気毛布あるいは湯タンポには皮膚を直に触れないようにしましょう。
まずは水道水などで患部を冷却し、可能ならば冷却しながらご来院いただきたいと思います。冷やす時間は最低20分、できれば30分以上冷やしてください。そのうえで症状の深度によって外用薬を使い分けます。また、場合によっては抗菌剤や内服薬を使用する場合があります。