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疣贅(いぼ)は、皮膚の細胞にパピローマウイルスが侵入し、それにより細胞が変化して症状が出現します。パピローマウイルスには多くの種類があり、それによって症状も多少変化しますが、これらのすべてのタイプの疣贅の治療で基本となるのは液体窒素療法です。
液体窒素は摂氏―196.7℃であり、これを患部に綿球で押し当てて凍結させる治療です。直後は凍結して白くなり、やがて1-2週間してかさぶたができます。疣贅が固いとき、また前治療でのかさぶたがはっきりついたままの状態のときは液体窒素療法を行う前に削ることもあります。
この治療が疣贅に効く機序は3つ考えられています。1つは、パピローマウイルスに感染した細胞を破壊し、かさぶたに変えて除去すること、2つ目は、液体窒素を当てたところに炎症を起こして免疫細胞(リンパ球)を呼び寄せてパピローマウイルスを除去する、3つ目は、ウイルス増殖の供給源となっている細かい血管網を破壊して、栄養源を断つことです。
治療はウイルスの状態によりますが1-2週間の間隔で行います。完全に疣贅がなくなるまで治療を続けていきます。途中で治療を中止すると再び疣贅が大きくなり、また最初からの治療となることもありますので注意してください。
治療後に水疱(水ぶくれ)や血疱(血まめ)ができることもあります。破けそうな場合には、バンドエイドで保護してください。大きな水疱・血疱ができて痛い場合にはご来院ください。
疣贅の深さ、大きさ、個人の疣贅に対する免疫力などでかなり幅があり一概に言えませんが、大人の場合足底ですと平均10回の治療が必要だといわれています。2週間に1回の治療だと5か月かかることになります。治療間隔をこれより狭めることで治療期間を短くすることもできます。また、子供さんの場合のほうが大人より治療期間(回数)が短い(少ない)傾向にあります。